ねむるためのよるに/竹節一二三
 
ねむるためのよるに
ねむらない

とかすはずの砂糖を
とかさない
珈琲は苦いほうが目に痛い
肝油ドロップをふたつぶ口に入れて
つくりかけのシャツをつくりきる

かたづかない部屋に
ものがふえる
壊れたものをくみあわせて
大きな塔をつくる
瞬間接着剤でゆびとゆびをくっつけて
いつまでもグー!といいつづける

あたらしい本を読みはじめる
ふりかえればうしろに
半分読んだ本が6冊たまっている

風呂に入る
冷めた湯を浴びてくしゃみをする
一人きりでひろいふろにつかる
くしゃみはとまらない

ねむるためのよるは
すぎてゆく

わたしのためのよるは
ここになく
わたしがねむるためのよるは
ふけて あける
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