人格と世界観10・直観的思考と詩心?/ひだかたけし
ゲーテはフリードリヒ・ヴィルヘルム・シェリング(一七七五〜一八五四)について、こう述べている。
「私が詩作に期待を寄せていなかったら、シェリングともっとしばしば会っていたでしょうが、
哲学は私の詩心をだめにしてしまうのです。
私を対象のひとつにしてしまうからです。
私は自分を思索の対象にふけらせたりしません。
何を書くにも、直観を頼りにしようとして、すぐに自然に逃げてしまいます。」
ゲーテは理念界を直観するという、最高の直観の在りようを知らなかった。
理念界が直観できれば、詩心は破壊されない。
自然の中には未知の、探求しえないものがある、などという憶測から精神を解放してくれる
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