人格と世界観8・自由の理念と思考?/ひだかたけし
けれどもゲーテは、解放行為を直接見てとることはなかった。
それができるのは、自分で認識行為に耳を澄ます人だけなのである。
ゲーテは最高の認識方式を身につけていたが、この認識方式そのものを観察したのではなかった。
そのことをゲーテ自身がこう告白している。
「どうしてそんなにうまくやれたのか。
お前はうまくやった、とみんな言っている」
利巧にふるまって
思考のことなど考えなかっただけさ。
(「控え目な風刺詩」第七部)
しかし、自然の創造力が「千万の植物のあとで」「すべての他の植物を含んだもう一つの植物」を創り出すように、
同じ創造力は千万の理
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