Bonds/ホロウ・シカエルボク
俺は炭酸飲料を飲んで喉を鳴らしている
くだらない理由で自死を選んだ女の亡霊がずっと話しかけて来るけど
声が小さ過ぎて何を言っているのかよく分からない
あらゆる種類の呪文、祝詞、祈り、手当たり次第にぶちまけてみなよ
先天的な呪詛なんて絶対に取り除けない
気休めに金を払うなら抱える覚悟をした方がマシだぜ
どんな境遇だろうが牙を失わなければ噛みつくことは出来る
廃車が積み上げられたままの自動車工場の廃墟で
繋がったままあの世まで逝っちまった若い男女が居た
その工場は人間の居住区じゃない山中にあったものだから
発見されたときには廃車の中で角煮みたいになってたって話だよ
振舞おうよ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)