偶像 -スタアたち-/川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
所謂?眼鏡
彼はジミヘンのやうに
傑出した藝術を殘したが
どれだけ本氣で扱はれた、と云ふのだ
畏れ多くも直木賞作家なのだぞ
彼、諸先輩がた とりわけ
三島由紀夫にとつては「ブルーフィルム」屋
登場の仕方は
ぢはり センセーショナル過ぎた
焼跡闇市
我々が下敷きとした景色
安吾が生きてゐた
蚊帳の下
そこにご飯と味噌漬けがある
何もないがお食べなさい
どでかい體躯はまた優しかつた
特に弱い者には
戦後文學の原風景
カルモチン
小さな山羊
自ら
弱い人間である事實剥き出しに生きた
知の巨人
僕たちはさう云つた窓から
現代を眺める 男たちよ 彼らに抱かれた女たちよ!
ケータイから見た
世界とは明らかに違ふだらう?
僕はジョージ・マイケルの
[Faith]を聴いてゐた-
彼は英語圏に身を投じたギリシア人の末裔
男女の垣根を超越した
斯くして
單一性の幻想に帰結
危険な誘イザナひだ
〈虎落笛サヨナラがはり眞似てみる 涙次〉
#詩
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