睡蓮の郷/あらい
ら
留守のとき アーチに紗がかかるとき
あいされたい 記念日でもない ブランドに
一瞬彗星と名付け はたして 目立つ兆しがあろうか
羽ばたきに支度し引き上げられたものの
みてのとおり戸惑って、なんらかの中毒になる
丁番という古本を探している、苔むした調和を求めた
方向を見失う雑踏の中をあるいていたように想い
これはちりめんのとおした枯渇にばらまくもの
おぼろげな口笛をいくらでも吹いたもの
玄関の右手にただし臆病者のうむは問題ではない
ジャケットをはおり、ひどくみおくる罹りだ
わたしはその手を引いてキミらの声を聞く
それら煌めくのを思い出のように
そうね。プラネタリウムに行こうと思った
真っ青な薬湯を杖でいわせ 正直
呆れるほどの冷酒を継がれるがままに
バスは乗客がなく、一色生涯と手すさびしてみよ
盆栽の石、地球儀の舎
大人の患者はいないのである
劇場まで幼顔の。寝る子は育つって云うけど
キミは なんでもいいけどね。知っているだろうか
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