睡蓮の郷/あらい
 
あたりの 無心の視線に参加し
列に並ぶ うねりから はじき出され、
埋め合わせた足枷ひとつ どいたようだった
下記であり やっとだ
   (間をおいた声がすること)
戸口に止めた、ゆびを湿らせ。かたちづくり
現在夢を見て、苗木の傍にひらく
凝縮し ときに散らばって――途切れるところで

ほらね。粘り気がない縁側に空間が存在していて
どうやらあの男は嘘のように消えるものです

そう、それだけでキミはもう腑に落ちて
続きみる、フルイドへ降ろした自由あり
点いたのは群衆の足音だけであるのかな

コバルト入りの 多く、移ろいの瞳のなか
シグナルに駆け引きをころしたかしら
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