雪の匂い/
海
君が去って行った方角から
雪の匂いがする
さようならと引き換えに
雪雲を連れて来る
笑い合った日の空気は
すっかり消えてしまった
どんなに懐かしんでも
現実に戻ることはない
儚い夢のようだった
舞い始めた雪が
一粒頬をなぞり
ふわっと匂わせ
溶けていった
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