詩はホームレス/川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
 
わが身を離れた詩は
一體何処へ行つてしまふのか
その何%かは
僕の中に殘るけれど
大方は彼処の路頭に迷ひ
淋しい思ひをしてゐる
詩よ、
鳩よ!
僕の裡に蓄積しておければよいのだが
所謂「溜まつた」?態では
だうにも睾丸
もとゐ
頭が重い
胸が張り裂ける

詩はホームレス
永遠の放浪者
僕自身が安穏と
家で寢てゐる時も
寒風に煽られ
道のダークサイドをひとり歩いてゐる

詩はホームレス
くよくよするな、作者よ
お前がさう云つてくれるのを
心卑しい僕は
心待ちにしてゐる
心よ、
安心よ、
安居よ、
深夜の子よ、
夜明けの歌よ、
詩よ、
愛よ!

#詩

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