WELCOME TO THE WASTELESS LAND。──詩法と実作/田中宏輔
 
プルなモデルを考える。あるいは、逆に、概念と概念が結びつくことによって、自我が形成されると考えてもよいのだが、これは、いわゆる、「原因と結果の同時生起」(ブロッホ『夢遊の人々』第三部・九、菊盛英夫訳)といったものかもしれない。「どちらが原因でどちらが結果なのか」(アラン・ライトマン『アインシュタインの夢』一九〇五年五月三日、浅倉久志訳)、ただ、後者のモデルだと、自我というものは、概念と概念が結びつく瞬間瞬間に、そのつど形成されるものであることになり、結びつかないときには、自我というものが存在しなくなるのだが、それは、極端な場合で、シンプルなモデルを考えると、そういった場合も想定されるのであるが、前
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