WELCOME TO THE WASTELESS LAND。──詩法と実作/田中宏輔
 
、無意識領域の方のわたしという場所において、無意識領域の方のわたしといっしょに考えたり、思いついたりしていたのであろう。ただ、意識的な面からすると、わたしには、言葉たちが、自分たち自身で考えたり、思いついたりしていたように感じられただけなのであろう。
 つまるところ、言葉が、わたしといっしょに考えたり、思い出したり、感じたりするのである。言葉が、わたしといっしょに見たり、聞いたりするのである。言葉が、わたしといっしょに愛したり、憎んだりするのである。言葉が、わたしといっしょに喜んだり、悲しんだりするのである。言葉が、わたしといっしょに楽しんだり、苦しんだりするのである。世界が、わたしとともに考え
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