*人格と世界観1/ひだかたけし
 
結び合っている。

「物と物とがぶつかる」というときの私は、
すでに内的体験を外界に移している。
私は運動する物体を見る。その物体が別の物体にぶつかる。
そうすると、この別の物体も動き出す。
こういう言葉で知覚の内容が表現されている。
そのときの私は、思考を停止していたのではない。
単なる知覚内容以上の何かがこの一連の現象の中に存在する、
と私は考えている。
この知覚体験を解明してくれる内的体験を私は求める。
私は自分で力を利用して、
衝突によって物体を動かすことができる。
私はこの体験を現象に移して、物と物がぶつかる、と言う。
―「人間は自分がどれほど擬人化して考えているか、少しも分かっていない」(ゲーテ『散文の格言』)










*ルドルフ・シュタイナー『ゲーテ主義』より

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