見えない未来を信じて/岡部淳太郎
 
合うなどということは想定していない。とにかく歩けるようになれば御の字であり、その上で彼女に会いに行くことが出来ればそれで良い。
 今年は二〇二五年である。世の中は相変わらず騒がしい。新しい総理大臣は前任者と同じく人々を幸福にする気はさらさらなさそうだし、社会では闇バイトなどというものが横行している。海外の戦争はまだ終わる気配が見えない。また、ご存知の方もいるだろうが、今年の七月にどうこうという物騒かつ人騒がせな「予言」が流布している。そうした不安定な世相の中で、僕の人生はこれまで述べて来たような迷いの中にある。いまはまだ歩けないゆえに明日とか未来というものを見ることが出来ない僕であるが、とにもか
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