本当の年明け/
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
あの人の博識が慾しい!
と云つても
返つてくるのは
お前には詩がある、だからそれで自得せよ
と、そんな言葉ばかり
〈子供らの鏡開きや甘く待つ 涙次〉
本当は甘く待つてゐたのは
お年玉だけ
なんてドライさは
僕には馴染まない
僕はお人好し
詩がある
それをよすがに何とか本当の
年明けが來る
#詩
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