祭りのあと/栗栖真理亜
 
僕は…僕は……」
「ん??僕は??」
僕はどうしたらいいか分からず言葉に詰まった。
どうして欲しいのかも分からない、これからどうなるのかも分からなかったからだ。
「じゃあ、もう止めにするか?ん?」
そう男は体を抜こうとした。
「ま、待って!それだけは……!」
僕は慌てて引き戻そうとして男を止めた。
「じゃあ、どうして欲しい?お前の望み通りにしてやる」
男は最期の悪魔の囁きを僕の耳許で囁いた。
「……このまま」
「このまま?」
「僕を連れ去って欲しい」
しばらく旬順した後、僕はハッキリそう言った。
それが僕なりの答えだった。
「そうか」
よく決断したなと男は頭をまた撫
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