祭りのあと/栗栖真理亜
あ!!」
僕は真っ二つに引き裂かれるような痛みに、思わず声を挙げた。
「オイオイ。そんなに声を挙げるなと言ったろ?ご近所に丸聞こえだ」
仕方のないヤツだなぁ…と男は呟きながら、傍にあった男物の青いハンカチを猿轡代わりに僕に咬ませた。
「ん、ん~~!んッ……ンッ……!」
僕は猿轡を咬ませられながら、迫り来る衝撃の波に堪えるしかなかった。
「仕方ないだろ?そんないい声で啼かれちゃ。ほら、少し休んでやるよ」
動きが緩やかになった分、衝撃も少なくなり、僕はホッと肩を撫で下ろした。
「どうして欲しい?ん?」
猿轡を外すと、子どもをあやす要領で男は僕の肩に手をやり、瞳を覗き込んだ。
「僕は
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