ATOM HEART MOTHER。/田中宏輔
となっている。というのも、言葉というものが新たな意味を獲得するにつれて、よりいっそうその言葉らしさを身につけるように、「外部の多様性が増すに連れて、内部統一が生み出される」(ノヴァーリス『対話・独白』今泉文子訳)からである。「詩は、火、身振り、血、叫びなどの種々相をただ一点に集めて互いに鬩(せめ)ぎ合わせるのである。」(アントナン・アルトー『ヘリオガバルス』?、多田智満子訳)「多様性から力を引き出して」(ベルナール・ウェルベル『蟻』第2部、小中陽太郎・森山 隆訳)、「多様にちらばっているものを綜観して、これをただ一つの本質的な相へまとめること。」(プラトン『パイドロス』藤沢令夫訳)「人びとは
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