ATOM HEART MOTHER。/
田中宏輔
かは木端微塵(こつぱ み じん)がよいかもしれぬ (笹原玉子)
終点でバスを降りると夏だつた、あふれる涙もぬぐはず歩いた (笹原玉子)
一秒と一千秒が等しく過ぐる花降る午後の有元利夫 (和田大象)
憤怒など地中に深く眠らせむ寝言ひとこと「このど蒟蒻!」 (和田大象)
「蠅はみんな同じ夢を見る」といふ静けき真昼 ひとを待ちをり (魚村晋太郎)
人間の壊れやすさ、と思ひつつ炙られた海老の頭をしやぶる
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