ATOM HEART MOTHER。/田中宏輔
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「詩とはなにか」(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)。その詩に書かれた言葉を目にしたとたん、わたしはここからいなくなる。その言葉によって誘われた時間に、導かれた場所に行かされる。「思い描ける場所は、訪れることができる」(ダン・シモンズ『ケリー・ダールを探して』?、嶋田洋一訳)。「一度見つけた場所には、いつでも行けるのだった。」(ジェイムズ・ホワイト『クリスマスの反乱』吉田誠一訳)「わたしたちはそんなふうにして、このもろい死すべき肉体を通して、永遠を仄かに見ることができるように作られているからである。」(サバト『英雄たちと墓』第?部・4、安藤哲行訳)。狭野茅上娘子の歌を読ん
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