ATOM HEART MOTHER。/田中宏輔
 
──韻律と、それを破壊するもの/詩歌の技法と、私詩史を通して




ころげよといへば裸の子どもらは波うちぎはをころがるころがる

 相馬御風の歌である。それにしても、「この音は何だ」(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』第一幕、石川重俊訳)。なんと楽しい歌であろう。これほど人を楽しませる歌は、ほかにはないであろう。愛と喜びに満ちあふれた歌である。おそらく、「音楽は人間的なことの中でももっとも人間的なことで」(シオドア・スタージョン『夢見る宝石』14、永井 淳訳)あろう。

街道をきちきちと飛ぶ??(ばつた)かな                               
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