首曳きの唄/栗栖真理亜
くる。
「ふはははははははは!!!!!」
「うふふふふふふふ!!!!!!!」
「垣ノ内い〜〜〜〜〜!!!万里子ぉ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
僕はガチャガチャと手足を動かした。
ガシャン!!
すると、どうしたことか手枷も足枷も外れてしまった。
僕はそのままベッドに起き上がり、壁目がけて頭ごと一直線にぶつかっていった。
近藤という一人の学生が精神病院で死んだのは今から10年も昔の事だ。
彼は突如として自分を縛り付けていた手枷足枷を外し、ベッドから飛び上がって、そのまま病室の壁に頭から激突して即死したのだった。
彼が死んで5日目にようやく小野寺という真犯人が逮捕され
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