首曳きの唄/栗栖真理亜
 
胴体とをバラバラにしてしまったか。
しかし、これだけは分かる。僕は男を殺した。
殺して、首だけをバックに詰め、そのまま車で男のマンションから逃走した。
それからどうしたのか、まるで記憶がない。
気が付いた時には、もう、このロッカールームの前に立っていた。
生首を入れたバックを抱えたままで。
―――何故こんなことをしてしまったのか。
同じ問いを繰り返す。
何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故・・・・・・・・・。
―――いや、今はこんな事を考えている隙じゃない。人がいない内に立ち去らなければ !
僕は慌ててその場を立ち去ろうとすると、いつ
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