柔らかき手の殺意/栗栖真理亜
また・・・だ・・・!
ぼくはいつも息苦しさで目が覚める。
そこはいつも暗闇で、妙に青白くて美しい両手が、僕の首を包み込むようにして絞めている。
僕は必死で引っぺがそうとするがぐんぐん締め付けられる力が強くなるばかりで・・・。
とうとう僕は気を失い、気がつけば朝になっていた。
僕は夜が怖い。
夜がくれば、あの白い手が僕を殺しに来る。
あの細くて長い指の一本一本がまるで生物のように絡み付いてくる。
柔らかく優しげな女の人の手なのに・・・。
どうして僕がこんな目に遭わなくちゃならない!?
分からない。こんな目に遭わなくちゃならない理由などないはずだ。
いくら記
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