戸をたたくのはだれ?/栗栖真理亜
くの
地獄、地獄、地獄へ行くの
カワイイ兄弟、さらって食べた代償に
罪の償い晴れるまで
後から心配して来た母親がその声を聞いて、にこにこと嬉しそうに笑いながら、「さあ、もう遅くなるから帰りますよ。」と言いました。
「はあい。」と子供達は元気良く返事をして、母親と一緒に家へ帰っていきました。
こうして、その日はめでたく事が進んだのでした。
しかし、話がこれだけで終わったのではありません。
実は急流に流された男は生きていて、ひそかに復讐しようと、何やら企んでいたのです。
そうとも知らずに、今日は双子の兄弟が留守番をしていました。
母は買い物に出かけ、兄弟たちもそれぞれ友達の家へ
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