弔辞台本原稿 長男へ/鏡文志
いるのかも知れない。一種の心地よさに逃げるタイプの音楽。無思考性を長男は好み、音楽の中に心地よさを求めました。人が大自然という混沌の中から人間にふさわしい形での規則毎を作る時そこには規則毎があります。音楽の中にはその見えない規則や決まり事があり、それは何千年という歴史を重ねて積み重ねて来たものです。そこにある規則毎の中から心地よさだけを取り出して聞かせ、それを広め合うことも出来るかも知れません。便利な時代になりました。無思考性が好まれ、理屈が嫌われる時代になった。長男の音楽はその時代において病者の集いである福祉施設においては受け入れられることもあったようですが、一般の世界においては難しかったように
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