THE GATES OF DELIRIUM。/田中宏輔
 
ベル『数学をつくった人びと?』21、田中 勇・銀林 浩訳)


 言葉を逆にするという、ごく単純な操作で、言葉というものが、それまでその言葉が有していなかった意味概念を獲得することがあるということを、生前に、詩人は、論考として発表したことがあったが、言葉の組み合わせが、言葉にとっていかに重要なものであるのかは、古代から散々言われてきたことである。詩人の引用によるコラージュという手法も、その延長線上にあるものと見なしてよいであろう。詩人が言っていたことだが、出来のよいコラージュにおいては、そのコラージュによって、言葉は、その言葉が以前には持っていなかった新しい意味概念を獲得するのであり、それ
[次のページ]
戻る   Point(13)