THE GATES OF DELIRIUM。/田中宏輔
来たりしているのが見えた。ロシアの船らしかった。たしかに日本の「蟹工船」に対する監視船だった。
それにしても、『マールボロ。』、
いまだにみんながきみの愛について語ることをしないのは、いったいどうしたことなのだろう。
(リルケ『マルテの手記』高安国世訳)
誰もが持っていることさえ拒むような考えを暴き出すのが詩人の務めだ
(ダン・シモンズ『大いなる恋人』嶋田洋一訳)
しかし、だれが彼を才能のゆえに覚えていることができよう?
(ノーマン・メイラー『鹿の園』第四部・18、山西英一訳)
世間の普通の人は詩など読まない
(ノサック『ドロテーア』
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