THE GATES OF DELIRIUM。/田中宏輔
きるようなものにはならないであろう。
『マールボロ。』
紙片そのものではなく、それを貼り合わせる指というか、糊というか、じっさいはセロテープで貼り付けたのだが、短く切り取ったセロテープを紙片にくっつけるときの息を詰めた呼吸というか、そのようなものでつくっていったような気がする。そのことは以前にも書いたことがあるのだが、それは、ほとんど無意識的な行為であったように思われる。基本的には、これが、わたしの詩の作り方である。
『マールボロ。』
たしかに、「言葉」には、互いに引き合ったり反発しあったりする、磁力のようなものがある。そう、わたしには思われる。そ
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