世迷言トゥルース/ホロウ・シカエルボク
 
らしい、いつのまにか姿をくらましていたし、臭いも消えていた、そう、少しは、煩わしい思いだってする必要があるのさ、どんなに好きに生きて行こうとしてもね、そういうこともないとわからないこともある、望み通りのものだけで生きて行こうとするなら、早めに楽隠居するくらいしかすることはないさ、でもそんな人生にどんな意味があるっていうんだい、自分がどんな年寄りになるかなんて想像もつかないけど、少なくとも自分で動いて自分で考えられる人間のままでいたいとは思うね、若いうちから頭の使い方を忘れてる連中がワンサカいるような街で暮らしているとね、俺は生まれたときからずっと、反面教師に囲まれて育って来たようなものさ、会うヤツ
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