向日葵娘/AB(なかほど)
向日葵の迷路で迷いながら倒れこんで
そのまま眠りにつきたい
とつぶやきながら汗を拭い
晩夏の土間を掃除なんかしてる
今どき土間なんて貴重よう
なんてPTA会長がすました顔で言ってたけど
もう時代に合わないものは
使い勝手が悪くて
なんて言いながらも
姑が残していった糠は
今年もどうにかうまく夏を越したようで
そんなことが
普通に嬉しかったり
向日葵畑で踊ることを夢見てた娘は
どこに行ってしまったんでしょう
と鼻歌まじりに
糠床をこねくりまわす
今年の冬からは
かぶらずしも漬けてみようかしら
ああ
こんなことでは
こんなことではあ
私の中の向日葵娘は
どこに行ってしまうのでしょう
と鼻歌まじりに
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