愛を重ねる度に感じる、私たちのすべてのこと/鏡文志
かった。私が公というものの持っている力を十二分に理解し、それを芸術作品を通して発揮しようとしてきたことを。
私が背負うべき公は精神障害者でも、立派な健全国民でもありませんでした。今も毎年罪なく精神障害者として親の同意によって強引に精神病院に入院させられている子供達の被害者として代表選手としての公でした。
私が書くべき物語は、よく出来た物語でも、素晴らしい恋愛詩でもありませんでした。
愛を重ねるべき時に重ねらず、重ねられなかったすべての人たちの思いを代弁するような物語であり、作品でした。しかし、それらのものを書く力がある可能性を示したのは、私の人間的能力と健全性をアピールする上で、とて
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