冬の思い出/山人
 
 今冬、二度目の除雪をした朝であった。相変わらず重い雪で、スノーダンプには少ししか入れることができない。ただ、一回目の時よりも重くなく、除雪機で難なく飛ばすことができた。
 先月二十九日に事業所を一旦解雇になり、無人駅の除雪隊の仕事が始まるまでぶらぶらしている日々である。
 本当にぶらぶらしていて、最低限のやることはやるのだがあとはまったく気力も失せてやる気もない。腰の具合も今一つ良くなく、いろいろ考えると憂鬱になってくる。
 今冬はラニーニャの影響で、雪が多いと言われている。ちょうど良く降ってもらいたい、と皆口々に言うが、やはりドカ雪は困る。適切な量、何事もだが、ちょど良いのがよいのである
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