闇バイトのニュースをみる子どもたち/足立らどみ
 
ける結果になり、それはそれで不健全かもしれません。一方で、「闇を経験した者しかわからない」という地点で思考を停止するのも危険です。それは他者との対話や共感を拒絶し、社会の中で孤立する原因となることがあります。
人生が「グレー」だという観念は、成熟した視点から見ればある程度真実です。善悪や光と闇がはっきり分けられることは少なく、むしろその中間にこそ人間のリアルがあります。しかし、それが「諦め」や「燻んだ風景」になるのではなく、「グレーの中に輝く瞬間を見出す」という方向性に向かうべきだと思います。これは「折り合いをつける」という意味でなく、曖昧さの中で自分なりの意義を見つけていく生き方です。


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