藤の間 垣間見る/ゆるこ
 


「こんばんは、」


鏡越しに降る もしくは水面越しに降る 積もる

記憶は曖昧 瞳のシャッター 脳内現像と再生 にて

私を移ろい 彩る全てに於いて 堕落しないこのぬくもりは

感光してゆき とろけるような ゆるやかな色調に歌わせて

また旅をしていく 

筆先に または油の中に宿る

すべてが逆さまになる世界の中で (すべては自然の産物ではあるが)

繋ぐ 意味を 浮かべて

宝物のように発行する 白い または青く 

赤いあなた

焼き切れるまで描くよ 脳内現像 そして再生

私のすべての後悔も 掌から零れてしまった大切な命たちも

柳の指先に載せて 描くよ

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