詩想、スカーレット 魂の強度/ひだかたけし
ひとしずく また ひとしずく
ごとに消えていく から
滲み入り沸き立つ想い
もう底の其処まで底から此処まで
この喪失の想いを何処で識ったのか
失われていく時間と
対峙を強いられ露わになった
孤独と云う甘やか孤立を拒否スル崇高な聖域
裸電球の薄暗い照明の許、
父親も母親も寝入り動かず
硬直した冷たき死体物体と化し
ごろんと転がり ごろりごとん
直進する時の震え凍り付き
ふっと真夜中に目覚め覚醒した幼子、
自らを支えてくれるものなど何一つ無いのだと
じっと眼を見開きながらすっと認め識る。
かなしみのみちみちて
い
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