ねこと自閉症とアンドロイド/天使るび(静けさが恋しい)
は勝手な契約みたいなものなのだ。
そいつがいるとぼくはぼくを諦めていられる。ぼくの命は嫌になるくらい身勝手でそれを克服したいとずっと願っていた。ぼくを割く権利をそいつに与えてもそいつはぼくを加害しないことだろう。初めからそれを知っていた。そいつのことを大好きなぼくはとてつもなく卑怯なやつなのだ。
不思議な気持ちが生まれる。心に風が吹いてくる。ぼくには何もない。風のように軽くて初めからどこにもいないくらいぼくは冷たい人間なのだ。
何もないことに気づいたからいまのぼくが消えちゃうようでようやく好きになれたよ。
脳の配線がずれていても構わないってきっといってくれる。そいつ
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