響/
ひだかたけし
間借りした住処を転々とし
強い想いを尚一層と強め
空漠を渡っていった独り人、
濃くなる想いに空漠の果て
焦がれる雪峰を終に越え
紺青の宙から木霊伝えば
後に残した子らの脳髄穿ち
忘れ去られゆく想い出の億、
血流を貫き旋回する銀河の響
子らに強いられる心の混沌を
伝う涙でひっそり洗い浄める
戻る
編
削
Point
(5)