原野(改訂)/ひだかたけし
 
血の羅針盤
切開され
真紅の色彩
滴り落ち
地磁気の狂い
逆流し逆巻き
迎えることとなる
一度ならずの破滅の日を

誰もが知らず誰もが識り
誰もが互いに罵倒し合うなら

乱れ飛ぶ陽光にパラソルを廻せ

飛び散る光滴に子らの笑い弾け
止まる留まる時の歓喜ひたすらに

大地から溢れ出る涙の久方ぶり
久遠の宙から流出スル壮大な響きを
濡らし聴き取り新たな方位を映し取る

人、ひとり ひとり 抱え持つ

響き光放つ言霊の原野 、

喚起スル自らとの闘いのために


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