熊のフリー・ハグ。/田中宏輔
ことやね
ステテコ
じゃなくて
フンドシで思い出した
むかし、エイジくんが
フンドシを持ってきたことがあって
「これ、はいて見せてや」
と言われたのだけれど
フンドシなんて
はいたことなくって
けっきょく
はいたかどうか
自分のフンドシ姿の記憶はない
ただ、「やっぱり似合うなあ」って
なんだか勝ち誇ったような笑顔を浮かべながら言う
エイジくんの顔と声の記憶はあって
当時は、ぼくも体重が100キロ近くあったから
まあ、腹が出てて、ふともももパンパンやったから
似合ってたのかもしれない
はいたんやろうね
なんで憶えてへんのやろ
フンドシは
白の生地に●がいっぱい
やっぱり
●とは縁があるんやろうなあ
これはブログには書けないかもね
フンドシはなあ
どうして、ぼくは、きみじゃないんやろうね。
どうして、きみは、ぼくじゃないんやろうね。
フンドシはなあ。
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