熊のフリー・ハグ。/田中宏輔
 
は、100グラムでしたけれど。
ご飯と豚汁とサラダのキャベツは
お代わり自由だったので
うれしかったです。
もちろん、ぼくとジミーちゃんは
ご飯と豚汁をお代わりしました。
食後に芸大の周りを散歩して
それから嵯峨野ののどかな田舎道をドライブして
広沢の池でタバコを吸っていました。
目をやると
鴨が寄ってくるので
猫柳のような雑草の先っぽを投げ与えたりして
しばらく、曇り空の下で休んでいました。
鴨は、その雑草の穂先を何度も口に入れていました。
「こんなん、食べるんや。」
「ぼくも食べてみようかな。」
ほんのちょっとだけ、ぼくも食べてみ
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