去るものは追わぬ、イタリア人のスケッチ/鏡文志
 
ナポリタンのアンポンタンが、パスタを食べながら私にこう言った。
「詩は嫌いだ。偉そうだから」
それを受けて私はフォークを皿に大袈裟に当てると、ナポリタンのアンポンタンにこう言ってやった。
「詩が、なんで偉そうなんだ? ものを考えることはとても尊いこと。誰だってやってることさ」
ナポリタンのアンポンタンは、今度はピッツァを口に運びながらこう言った。
「サッカーには、サッカーの神様がいる。詩にも、詩の神様がいるのかも知れない。でもサッカーの神様は詩については語らないが、詩の神様は詩について語らせようとするし、その他あらゆることについて語らせようとするだろう?」
それを受けた私は呆れ顔で、今
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