ペガサスと翔ぶ/りつ
ねぇ、ペガサス
私を月まで連れて行って
静かの海で
貴方と一緒に眠りましょう
雪白の毛並みは熱いほど暖かく
極寒の地でも
貴方がいる限り
凍えはしない
漆黒の眼差しは
黒曜石の輝き
煌めきながら
私を見つめる
恥じらい含み
返す瞳に
火垂が宿る
貴方の力強い羽撃きで
風が巻き起こり
私は飛ばされないよう
貴方のたてがみに顔を伏せる
伽羅に似た貴方の体臭が
仄かに薫る
このまま天の川まで翔びましょう
天の川で命の水を飲み
夢の飼い葉を食べ
星々にご挨拶
そして
私は
一匹の火垂となり
貴方と一緒に
彼方まで翔ぶ
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