夢/レタス
二両編成の電車を降りて
乾いた白い路を真っ直ぐに進む
いったい何処へ行くのだろう
てくてく歩いてゆくと
荒波寄せる岸壁に聳(そび)える
古い灯台が観えてきた
ぼくは左腕に巻かれた包帯を
血が滴(したた)り落ちないように
結び直して入り口へと入っていった
螺旋階段を登り詰めると
ぼくの身長ほどの
ツルツルと磨かれた透明なレンズが遠くを見詰めていた
水平線の向こうには蜃気楼のような貨物船が浮いている
眺め飽きてきたので
灯台を降りようとしたぼくの左腕をカモメが突っついた
包帯が破れ血潮がじわりじわりと滲んできた
九十九段の階段をそろりそろりと降りてゆくうちに
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