いそしぎ/室町 礼
 
 さらば
 太陽の空の下
 恋人は
 雨傘をひらいて
 探していた
 ひまわりは
 恋人たちに集まり
 歌っていた
 世界一周の
 浪路はるか
 夏の日をなつかしむ
 黄色いリボンの
 女王が
 タンゴを踊り
 枯葉は
 朽ちるのを惜しみ
 紅の翼をほしがった
 嗚呼
 愚かなりわが心
 スマイルで
 上を向けば
 星影に
 月と
 道があって
 あなたがいる
 酒とバラの日々に
 なんの不服か
 風の囁きに誘惑され
 火遊びをする
 傷だらけの
 明日も知らない
 ふたり
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