帰郷/
ひだかたけし
足許の明かりを響かせたなら
独りの私が新たな家に還るだろうか
あゝこの天空を仰ぎ見ればただただ青 、
貴女たちの住処は真ん中に
まぁるく黄金に輝き燃え盛り
地上の生も死もあまねく照らし出し
いっぱいいっぱいの痛みも喜びも
反照する青に染め抜いて
やがてすべて澄んで透明になる
遠い旅路を辿っていく
自らが自らに努め開き示される
光溢れる意識の視界を頼りにし
足許の明かりが自ら透明を響かせる時 、
独りの私は新たな家の前に立つ
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