雨の中で/ホロウ・シカエルボク
甘みのある、いわゆるコーヒー飲料というものを飲みながら空を見上げていると、これまでに何度こんな時間を過ごしただろうとふと思った、強制的に発生する時間の無駄とでも呼べそうなこんな時間、それは俺にいったいどんなものをもたらして来たのだろう?また俺はそれを、どんなふうに生かして来たのだろう?そんなものを受け取った記憶も、抱いて来た記憶もなかった、全ては記憶の最奥で埃を被っているだけの風景だった、またこの先何度、こんな瞬間が訪れるのか?無意味な悩みといえば無意味な悩みだった、出来るだけコンパクトな折りたたみ傘でも鞄に入れておけばいいのだ、実際、そうしていたこともあった、でも数ヶ月で止めてしまった、台風でぶ
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