大阪文学学校の思ひ出 ─続・大阪文学学校体験記─/室町 礼
新入生歓迎会の後、新しい生徒のクラス編成が発表さ
れ、わたしは小説部門の初等クラスに入ることになっ
た。
初等クラスのメンバーは30人ほどだったのではない
かと記憶している。もちろん全員初対面。社会人がほ
とんどで学生は数人しかいなかった。
自己紹介のあとみんなで隣のビルにあるレストランに
いってコーヒーを飲みながら雑談をした。
このような出会いは面白いものだと思う。
ふつうに生活していれば決して深く知り合うことのな
い階層の人たちと顔を合わせることができるからだ。
わたしは下層のさえない一庶民だったが、関西に本社
を置く世界的な電機メーカーの取締役を夫にもつ婦人
がクラ
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