THE THINGS WE DO FOR LOVE。/田中宏輔
 
サカキの詩だったのだ。
「そんなこと、ぼくもありますよ。」
と湊くん。
フォローが絶妙、笑。

おとつい
日知庵に行ったあと
大黒に行ったら
マスターが
ぼくの耳のうしろから息を吹きかけるから
「やめてよ。
 感じやすいんだから。
 ぼく
 耳がいちばん感じるんだから。」
「あつすけさんって
 全身性感帯みたい。
 乳首も感じるの?」
そう言って、手をのばそうとするから
すかさず、ぼくは、両手で自分の胸をおさえた、笑。
「やめて!
 感じちゃうから。」
「感じれば、いいじゃない。」
「だめなの。
 いま、飲んでるで
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