そのうち 眼裏に 花香る。/
あらい
ならば。春はもうすぐにでもやはり落花する。それは木々が生い立ち、目覚ましく逞しくあり、うんと おしゃまなものであれば、見事だろうと。
追い求めているのか、ここにきたばかりで歌も残されない何かを。それとも急かされているのか。ふさがれた 眦の 隅に たよりに 耳をすませては鼻を寄せた。
そのうち 眼裏(まなうら)に またたちはじめる。呼び覚まされ 花香る。
2023 年 7 月 23 日
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