言葉憑き/ホロウ・シカエルボク
な次元での話が俺の書いているものの確信をつくことが出来るとは到底思えないんだけど―ともかくさ、俺にとって書くということはそういうことなんだ、俺の脳内で、ひっきりなしに外へ飛び出そうとしている連中が居て、俺の頭蓋骨を内側からノックするのさ、冤罪で投獄された囚人みたいにね、ガンガンガンガン、喧しいくらいにさ、だから俺は集中度を上げて、指先を化物にしてそいつらを引き摺り出すんだ、不思議なものでそいつらは先を争ってぐちゃぐちゃに出てきたりはしない、入口が開かれればそれで気持ちは落ち着くみたい、順番にずるずると、テンポ良く出てくるんだ、それはきっと俺のリズムに乗っているからだと思うがね、ともかく俺は瞬間的に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)